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耽美迷宮 袋小路

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序章

大泉に向かう道中、今日の昼休みに血眼になって捜し求めたYOSHIKIの本を読む。

幼い頃、不良だったころ、Xの写真を和やかな気持ちで見つめめくった目次に表記された序章のタイトルに、暫し固まった。


おまえふざけんないきなりそれか。


目次のタイトルだけであの時の記憶が生々しく甦る。
読み進めるのが辛かった。


毎日、情報を追っていた。
遺体安置所から目を真っ赤に泣きはらし、虚ろで憔悴しきったPATAの写真が週刊誌に載っていた。今でもあのPATAの悲壮な姿が焼き付いている。


きっと、HIDEちゃんの悪戯に違いない、私もそう思ってた。
本には、YOSHIKIもそう思っていたと書いてある。


メンバーもファンも同じことを思っていた。彼を知っていれば自ら死を選ぶなんて絶対にありえないからだ。


ただ、目の前の現実は、HIDEは死んだと告げていた。何度言われても、告別式会場へ献花しにいこうと、周りがどれだけ泣き叫んでも、現実を理解することができなかった。
ただなんとなく、これが現実で事実で今起きていることだとカラダでどうにか対応している感じだった。
だって身体は震えているし、涙が止まらない。


だから、これはホント。
HIDEちゃんは死んじゃいました。


……………で?



その自問自答をひたすら繰り返していた。そんなことをしたって現実が覆るわけじゃない。でも、そうしていた。
文字通り、混乱していたからだ。



そういう、当時の事を生々しく思い出した。
HIDEをきちんと送り出そうとファンの前で答辞を読み上げたり、会見で後追い自殺を諌めるよう声明を出したり、そんな気丈な姿を最後に、暫くよっちゃんは潜ってしまったんだよなあ…。


序章を読むと、本当によくここまで立ち直ったなと思います。
私も未だに亡くなった感じがしないと思う時と、本当にいないんだなと実感する時と交互にやってきてそこでなんとなく立ち止まってしまうというか、俯いてしまうというか。

ほんっとにね、最初からそれか、ですよ奥さん。
電車なんで涙堪えてたら鼻水出ちゃって大変だったわよ。
カフェでチキンサンド食べながら泣きながら読んでたら店員にじろじろ見られたよwww
気にしていませんけど。


今日読み終わるかなあ…無理かなあ…。
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